タイ税務改正動向:税務手続の電子化に対する法人税優遇措置の延長
タイ税務改正動向:税務手続の電子化に対する法人税優遇措置の延長
2021年1月にタイ内閣はこれら税制優遇措置の更なる利用拡大推進のために、現在の優遇措置の一部延長・拡大を閣議決定しました。今後、法制化・交付手続きを経て施行される予定です。
1. E-Taxinvoice/receiptシステム導入投資・利用に対する追加控除措置の延長
2019年6月の勅令Royal Decree No.683 (※3) において、2019年4月30日から12月31日までに支払ったE-Taxinvoice/receiptシステム導入投資に関する減価償却費及び
システム利用費用について、法人税計算における通常の2倍の追加控除を認める優遇措置が施行されていました。
本閣議決定により、上記税制優遇の対象期間を2022年12月までに支払った投資・
費用まで延長することが承認されています。但し、当初対象となっていた店頭販売用POSシステムに関する支出については、延長の対象から外れています。
2. E-withholding tax」利用時の源泉税率引き下げ期間の延長及び対象拡大
現在、「E-withholding tax」を使用して源泉税納税をする場合、2020年10月から2021年12月までの間、サービス対価支払いの際の源泉税率を(通常の3%から2%に
減税する措置が施行されています。
本閣議決定により、上記サービス対価支払いの減税期間を2022年末迄に延長し、さらにレンタル・リースの対価支払いの際の源泉税率についても2020年10月末から2022年末まで通常の5%から2%に減税することが承認されています。
優遇対象項目 | 現行の優遇措置 | 本閣議決定での 追加優遇措置 | ||
対象期間 | 優遇 税率 | 対象期間 | 優遇 税率 | |
サービス料 (通常の源泉税率3%) | 2020/10~2021末 | 2% | 2020/10~2022末 | 2% |
レンタル・リース料 (通常の源泉税率5%) | ― | 2020/10~2022末 | 2% |
※1 E-Tax invoice/receipt制度(VAT税務証票の電子化制度)に関する概要解説記事リンク
※2 E-withholding tax 制度(インターネットバンクを介した源泉所得税処理の電子化・ワンストップ化制度)の概要解説記事リンク
※3 Royal Decree No 693(E-Tax invoice/receiptシステム投資・利用料に関する税制優遇) の概要解説記事リンク
(2021年2月作成)
免責事項
本記事は、作成日時点でのタイの法律等改正動向や一般的な解釈に関する情報提供を目的としております。内容については、正確性を期しておりますが、正確性を保証するものではなく、また作成後の法律改正等により最新の情報でない場合もあります。本記事の利用は、利用者の自身の判断責任となり、利用により生じたいかなるトラブルおよび損失、損害に対してMazarsは一切責任を負いません。個別の具体的な案件を進める場合には、事前に専門家へご相談頂きます様、お願い申し上げます。