タイ会計改正動向:タイ非公開会社における固定資産「再評価モデル」選択オプションの導入

2020年7月にタイ会計士協会は、TFRS for NPAEs(タイ非公開会社向け会計基準)適用企業も、自社利用目的で保有する固定資産の帳簿価格について投資用固定資産と同様に「再評価モデル」(帳簿価額を初期認識以後も公正価値にて測定・認識し直す会計処理)を選択可能とすることを決定しました。

      これまでは、TFRS for NPAEsにおいては、自社利用目的で保有する固定資産の帳簿価格については会計処理の継続性・保守性の観点から「原価モデル」(取得原価にて計上した後は、固定資産の公正価値(≒時価)が値上がりした場合でも再評価は出来ず、初期認識価額を利用し続ける)のみが認められおり(※)、含み益が財務諸表に適正に反映されないケースや、再評価モデルが選択可能なIFRS国際会計基準を採用する親会社での連結決算にて会計処理の不統一が生じてしまうケースが想定されていました。本決定は、タイ国会計基準の国際会 計基準へコンバージェンス(統一化)の一環として行われているものと思われます。

    本決定は、今後官報での公布を経て有効となる見込みです。

(※)現在のTFRS for NPAEsにおいても、公正価値が減少した場合には「減損」による帳簿価格の修正が認められています。

参考リンク:

タイ会計士協会TFAC による「再評価モデル」の会計処理に関する解説ページ(タイ語)

http://www.tfac.or.th/upload/9414/0Dy1NtHeCH.pdf

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 (2020年8月作成)

 

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