会計論点解説 : 無形資産「のれん」の償却について【非公開企業向け会計基準改訂関連】

タイの会計基準において、殆どの会社に適用されている非公開企業向けタイ会計基準 [Thai Financial Reporting Standards for Non-publicly Accountable Entities (“TFRS for NPAEs”)] に関し、これまでは合併にともなう「のれん」の処理について、明確に触れられていませんでした。そのため、通常は無形固定資産の償却と同じ10年で償却をしていました。

これに対して、2023年1月から適用が始まっている改訂されたTFRSにおいては、のれんの償却について以下のように明確に規定されました。

「企業は、取引が企業結合取引に該当するかどうか、また資産の取得が事業単位の取得にあたるのか単なる資産の取得にあたるのかを判断しなければならない。事業単位の取得に該当する場合には以下の方法で記録されなければならない。

1. TFRS for NPAEsに沿って、個別資産の取得とのれんを認識する。

2. のれんに関する部分を除き、TFRS(タイ会計基準)3の“企業結合”に則って処理を行う。

また、のれんが認識された場合においては、その償却は以下のように取り扱う。

  • のれんは、原則としてその耐用年数に応じて償却される。ただし、耐用年数が見積もれないのれんについては、20年で償却を行う。
  • 償却については、他に適当とされる方法がない限りにおいては原則として定額法で行う。
  • 償却費については損益として認識される。
  • 市場価値が下落した場合においては引当金を計上する。

 

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(2023年5月作成)

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