タイ税務改正動向 : ターゲット産業企業の株式譲渡益にかかわる免税措置について

技術、科学、ロボティクス等のターゲット産業における起業促進のため、そうした産業に従事する企業の株式譲渡から発生する譲渡益の免税措置が導入されました。

6月13日付け勅令750号(Royal Decree No.750)によると、譲渡益について法人税と個人所得税が以下の場合免税となります。

1. ターゲット産業に従事する会社の株式の売却

2. ターゲット産業に従事する会社に投資しているベンチャーキャピタル(VCC)もしくは信託の持分の売却

3. ターゲット産業に従事する会社に投資しているベンチャーキャピタル(VCC)もしくは信託の清算

各々の場合における、取り扱いは以下のとおりとなっています。

ケース

主たる要件等

i.  株式売却益

  • 投資家は売却前に連続した24ヶ月間当該株式を保有していなければならない。
  • 会社は売却前の2年間、売上の80%以上をターゲット産業に関連する事業からあげていなければならない。

ii. VCC・信託持分の売却益

  • 投資家は、売却前に連続した24ヶ月間当該持分を保有していなければならない。
  • 当該VCCもしくは信託に剰余金がない場合には、会社が売却前の2年間、売上の80%以上をターゲット産業に関連する事業からあげていれば、当該譲渡益は免除される。
  • 当該VCCもしくは信託に剰余金がある場合、会社が売却前の2年間、売上の80%以上をターゲット産業に関連する事業からあげていれば、全ての譲渡益は免除される。  

iii. VCC・信託持分の清算益

  • 投資家は、清算前に連続した24ヶ月間当該持分を保有していなければならない。
  • 清算前の2年間、売上の80%以上をターゲット産業に関連する事業からあげている会社への投資割合に応じて、清算益については免税となる。

VCC

  • タイで登記されていること
  • 20百万バーツ以上の払込資本金
  • SECにVCCとして登録されていること
  • 他の勅令等で免税措置を受けていないこと

信託

  • 20百万バーツ以上の払込資本金
  • SECに信託として登録されていること3
  • 他の勅令等で免税措置を受けていないこと

また、9月に追加で以下の内容が通知されています。

1. 報告書式について

  • ターゲット産業の会社は、毎期売上構成と株主に関するレポートを行う必要があります。
  • VCCや信託は、毎期、ターゲット産業投資先に関するレポートを行う必要があります。

2. 投資家は税務署の査察に備えて、投資レポートを保管する必要があります。

3. 剰余金のないVCCや信託持分の売却による譲渡益が発生した場合、売却前のターゲット

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(2023年1月作成)

免責事項

本記事は、作成日時点でのタイの法律等改正動向や一般的な解釈に関する情報提供を目的としております。内容については、正確性を期しておりますが、正確性を保証するものではなく、また作成後の法律改正等により最新の情報でない場合もあります。本記事の利用は、利用者の自身の判断責任となり、利用により生じたいかなるトラブルおよび損失、損害に対してMazarsは一切責任を負いません。個別の具体的な案件を進める場合には、事前に専門家へご相談頂きます様、お願い申し上げます。

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