タイ法務改正動向 : 著作権法の改定について

2022年2月、仏暦2565年著作権法(第5号)が改定公示され、2022年8月から発効することになりました。

タイでは、“著作権に関する世界知的所有権機関条約(WCT)”加入に準備を進めており、今回の改定では、特にオンラインメディアプラットフォームにおける海賊版の流布等に対抗して著作権保護を強化することを目的としており、また、タイにおける新しい著作権物の創造に資すると思われます。

主として以下のような改定がなされています。

1. 映像物の著作権の期間について延長されています

  • 映像物を撮った人や著者の存命期間+50年
  • ただし、2022年8月までに著作権が切れる場合には適用されない。

2. サービス提供者の定義、義務、適用範囲が以下のように設けられました。

定義

義務

免責

サービス提供者の定義は、インター
ネットホスティングやサーチエンジン業者まで含まれるようになりました。つまり、インターネットサービスプロバイダー(ISP)は以下の4種類となります。

1. プロバイダ(Intermediary ISP)
2.データ2. データ保管(Caching ISP)
3. ホスティング(SNS等)
4. サーチエンジン

通知と削除依頼著作権者は、著作権侵害についてサービス提供者に対して直接削除を依頼することが可能です。

著作権者からの通知を受け取った場合、サービス提供者はサービス利用者に対して即時に対応を求めなければなりません。

サービス提供者は、以下の場合、
責任を追求されません。

1. 著作権を侵害したユーザーに対して明確なサービス提供の停止を通告した場合。

2. 著作権法に規定された各事業者タイプに沿った適切な対応をとった場合。

3. サービス利用者(Service User)は、サービス提供者のサービスを利用するもの者で、有償利用・無償利用の区分はありません。また、サービス提供者は著作権侵害について電子的な方法で侵害を通知することが可能です。

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(2022年4月作成)

免責事項

本記事は、作成日時点でのタイの法律等改正動向や一般的な解釈に関する情報提供を目的としております。内容については、正確性を期しておりますが、正確性を保証するものではなく、また作成後の法律改正等により最新の情報でない場合もあります。本記事の利用は、利用者の自身の判断責任となり、利用により生じたいかなるトラブルおよび損失、損害に対してMazarsは一切責任を負いません。個別の具体的な案件を進める場合には、事前に専門家へご相談頂きます様、お願い申し上げます。

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