タイ法務改正動向 : 外資企業の貸付規制について

タイにおいて、外資企業は外国人事業法により、外国事業許可 (Foreign Business License: FBL) を取得した場合を除き、 一般的には貸付を行うことは禁止されています。

ただし、タイ国内に所在する関連会社・子会社向けの貸付については、商務省は通達 [Ministerial Regulation No. 4 (2019)] によってFBL取得義務を免除しています。

当該通達で許可されている関連会社・子会社とは、株式の保有や経営陣への人的関連がある等の要件が定められています。

FBLの取得やタイ国内関連会社・子会社向けといった、上記の方法以外で貸付を行うには、BOI優遇策を利用した以下のような形で貸付を行うことが可能です。

1. IBC (International Business Centre) 優遇の取得

(1) 認可される貸付の範囲

  • 海外の関連会社・子会社への外貨建貸付
  • タイ国内向け関連会社・子会社へのタイバーツ建貸付
  • ベトナム・カンボジアおよび近隣諸国所在の関連会社・子会社への、タイ関連貿易・投資目的の貸付

(2) 要件等

  • IBCの他の事業も取得申請に含まれていること。
  • 10百万バーツ以上の資本金を有すること。

(3) その他の非税務優遇

  • ビザ・ワークパーミット
  • 土地保有

2. TISO (Trade and Investment Support Office) 優遇の取得

(1) 認可される貸付の範囲

  • 海外の関連会社・子会社への外貨建貸付
  • タイ国内向け関連会社・子会社へのタイバーツ建貸付
  • ベトナム・カンボジアおよび近隣諸国所在の関連会社・子会社への、タイ関連貿易・投資目的の貸付

(2) 要件等

  • TISOの他の事業も取得申請に含まれていること。
  • 年間10百万バーツ以上の販売管理費支出があること。

(3) その他の非税務優遇

  • ビザ・ワークパーミット
  • 土地保有

以上

 

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(2023年9月作成)

免責事項

本記事は、作成日時点でのタイの法律等改正動向や一般的な解釈に関する情報提供を目的としております。内容については、正確性を期しておりますが、正確性を保証するものではなく、また作成後の法律改正等により最新の情報でない場合もあります。本記事の利用は、利用者の自身の判断責任となり、利用により生じたいかなるトラブルおよび損失、損害に対してMazarsは一切責任を負いません。個別の具体的な案件を進める場合には、事前に専門家へご相談頂きます様、お願い申し上げます。

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