目次(各回は、2022年8月以降随時公開予定)
第1回 そもそも内部統制とは
第2回 「改革」のたびに注目される内部統制
第3回 内部統制は身近なものである
第4回 統制環境① 立ち上げた頃の思い
第5回 統制環境② 7つの例示
第6回 統制環境③ 稲盛和夫氏の経験則
第7回 リスクの評価と対応① 経営者の不安
第8回 リスクの評価と対応② リスク評価の流れ
第9回 リスクの評価と対応③ もれなくリスクを識別する
第10回 統制活動① 文書化だけではない
第11回 統制活動② 木を見るまえに森を見る
第12回 モニタリング① 脱皮を繰り返し進化する
第13回 モニタリング② コントロールの肝を意識する
第14回 情報と伝達 ホウ・レン・ソウ
第15回 ITへの対応 ITを知って賢く使う
第16回 1つの目的と3つの視点① 3つの視点で理解する
第17回 1つの目的と3つの視点② 3つの短歌に思いを込めて
第18回 1つの目的と3つの視点③ 明るい未来のために
本連載は、内部統制報告制度(以下、「JSOX」といいます)導入時に筆者らが執筆した『内部統制におけるキーコントロールの選定・評価実務』(中央経済社、2010年)の中の「経営者に宛てた18のコラム」を引用して、そこで述べた内部統制の本質的な考え方が10年経っても変わっていないことを確認しつつも、この10年で変わったことが何であるかについて補足して解説します。
なお、本連載の『 』書きは、同書からの抜粋です。また、本連載の意見にわたる部分は、筆者の私見であり、所属する法人の公式見解ではありません。
我が国に内部統制概念が定着する契機となったのは、2008年4月1日以降開始の事業年度から適用されている内部統制報告制度(以下、JSOX)でした。その後、10年以上が経過し、会社の内と外とで、大きく環境が変化しています。そのような状況に対応するために、内部統制の考え方や対応を見直す必要が出てくるかもしれません。
内部統制は、主体的・自主的な対応がその本質である反面、新しい対応や課題解決のためには、少なからぬ時間を要するものです。本連載では、内部統制の本質に遡って、会社内外の環境変化と内部統制との関連を解説しますので、新しい対応や課題解決が差し迫る前の余裕があるうちに、一読いただければ幸いです。
本連載は全18回の予定ですが、短い時間で読んでいただけるように1回あたりは15分程度の分量にしています。また、肩の力を抜いて読んでいただけるようにコラム風の文章にしています。