今回はBEPS にまつわる個別トピックです。
これまでのBEPS の議論の中で、「多国籍企業において採用される従来の2 国間租税条約やいわゆる移転価格税制を基礎とした国際税務の枠組みでは対応しきれなくなった新たな国際的課税回避スキーム」という言い回しを何度も耳にした記憶がある方が多いのではないでしょうか。
それでは、これは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
今回は、その代表例である「ダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチ」と呼ばれるスキームを見ていきます。
これは言葉では、「(ヨーロッパ等の)各地で得た利益をアイルランド、オランダ、英国領バミューダに送金することにより、税率の高い(イギリス等の)実際に活動を行う国での課税所得を極めて効率的に低減するスキーム」と表現できます。